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2024/04/20 13:29 |
主観と客観
僕はどうも現代文とかいう教科がニガテみたいなので、ちょっと考えてみた。

現代文では、与えられた文章を「客観的に読む」ことが重要らしい。文章を客観的に読むとは、これいかに。とあるブログでは「文章の表面を追いかけていく」という表現がされていたが……

そもそも言葉っていうのは、ひとりひとり解釈・イメージが違う。「犬」といって「かわいいペットだ」と思う人もいれば、「すぐ噛みつく怖い動物だ」と思う人もおり、「うまそうだなあ、売ったらいくらになるかなあ」とか考える人もいるかもしれない。形而上のワードだと、各人における解釈の違いはもっと大きくなるかもしれない。
だから、いくら字面どおりに意味を解釈していこうとしても、解釈にニュアンスの差が生じるのはやむを得ないはずだ。

じゃあ客観的って、どういうこと? 僕は「他人の主観を考えること」なんじゃないかと思った。
数学的にいえば「(他人の主観)⊂(自分の客観)」という感じかな。自分のほかにも他人という自我をもった物体はたくさん存在していて、それぞれに違うことを考えている。評論を書いた人だって、小説を書いた人だって、紫式部や兼好法師だって、自分の中にある「書きたいこと」を「自分の主観に沿って」書いてるわけだ。
 

そういう「ちょうたんじゅん」なことにようやく気付いた僕は、今、現代文という教科における「客観的に読む」とは、「著者(あるいは出題者)の主観を推定する」であると定義する。


**

さてそれはいいよ、問題はそれをどうやって点数に還元するか、ということにある。
テスト問題を解くためには、まあ次のようなポイントがあると思う。
①設問の意味(傍線部は、全体の構成においてどのような役割を担っているか)を理解する
②設問の意味(どんな答えを、出題者は欲しているか)を理解する
③要点を不足なく集め、指定時数内にまとめる。

①③は客観とはあんまり関係ない。どちらも集中して問題文を読み、重要な部分を記憶するなり線を引っぱておくなりすればよい(かくいう僕は、この作業があまり得意ではない)。
②だが、平野啓一郎が著書『本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書) 』の中でこんなことを言っている。

実を言うと、私は、高校生のとき、国語のテストの点数があまり良くなかった。自分では一端の「文学好き」のつもりだったし、どうしてだろうとずっと考えていたが、あるときふと気がついた。私は、テスト問題と設問とを切り離し、「本文の作者」の意図を理解しようと努めていたのだ。(中略)
問題製作者が、小林秀雄を引用しながら彼の主張をしている、と発想を転換したのである。これに気がついてから、私の国語のテストの成績は、瞬く間に上昇した。
なぜ、小林秀雄が選ばれているのか(読書経験豊富な人は、テストで小林秀雄を取り上げたくなるような人物として、問題製作者のイメージを大雑把に把握するだろう)、なぜ、この部分があえて取り上げられているのか、なぜこの場所に線が引かれているのか、それは要するに、受験者にどういう解答を期待しているからか……。そうして徹底して製作者の視点でテスト問題を読んでいくと、何を答えるべきか、非常にはっきりしてくるのである。

ちょっと引用が長くなったが容赦してください。太字は引用者。
つまり極端にいえば、設問がメインで本文はオマケってことだ。問題文をおろそかにしてはならないということ。技術的な面は、またまとまったら記事にしよう。
まあ、これは「そもそも文章が読めない人」にとっては高等すぎるかもしれないけどねえ。


**

今回も記事がまとまっていないな。この考察も、ひとりよがりなものかもしれないし。
何か批判とかあったら容赦なく書き込んでくだしあ><
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2009/05/20 14:03 | Comments(1) | TrackBack() | 言語

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コメント

「客観的に読む」ということについて、及ばずながら多少の補足。
お気づきの通り、『他人の主観を考えること』ということでニュアンスは合っていると思います。ですが、私が当時『鉄則』としていたこととは僅かに違う。
つまり、『絶対に自分の主観を混ぜてはいけない』ということです。
感情移入などもっての他なのは当たり前で、「他人の主観を考える」ということも、自分というフィルターを通しているのでグレーゾーン。試験とは各人の力量をはかるためのもの、解釈にニュアンスの差が生じるのはやむを得ないことで、そのセンスによって優劣がついてしまっていてはその役割を果たすことができません。『その文章が表す意味』は、誰にとっても同じでなければならない。
極端にいえば、試験というものは解答者各位の考えなど知ったこっちゃないのです。そんなことは訊いてない。「私はこう思いました」といわれても、「ふうん、それがどうした」としかならないわけです。作者が考えていること、作者が感じていること、作者が表現していることが唯一正しいものであり、本文にないそれ以外の要素を用いた瞬間、その解答は間違ったものになるのです。
ならばどうやって解いていくのか。
答えは単純に、作者が表したことを素直に拾っていけばいいのです。
しかも現代文の場合はさらに単純で、『ヒント』というあやふやな形ではなく、率直に『答え』が問題文のなかに潜んでいます。すべての人が平等に受け取れなければ問題として成立しませんしね。
設問で「傍線部」などで現れるキーワード、登場人物の感情などは、多くの問題を解くにあたって極めて重要で、その前後で必ず「補足」や「(『つまり、』などでの)言い直し」が行われます。逆に言えば、補足や言い直しがされている部分が重要になってくるというわけですね。補足はそのままの姿でなく、直喩や暗喩、小説ならば風景描写などで代筆されている場合も多いので、そこをチェックしていけばそれだけで良し。

ううん、後半がわかりにくくなってしまった上に、話が弱冠逸れてる(汗)
要は『主観ではなく、本文に提示されていることのみで解答する』こと。
よくやる解き方としては、

1)まず問題文をざっと流しみて、どんな部分が問われるかを『大まかに』把握する。(じっくり考えちゃダメ)
2)本文をキーワードやその言い直し、「つまり」などで作者の考えが強調されている部分など重要なところに線を引きながら、本文を一度読み切る(言い直しの更なる言い直しによって作者の言いたいことが二転三転する場合があるので)。
3)線を引いた部分が絶対に問題にされているので、あとはその重要な部分や言い換えられた文章等をそのまま引用して答えるのみ。

こんなもんですか。
鍛えるべきは、言い直しに気づけるよう語彙を増やしておくことと、本文を読む速度をあげること。あとは毎回問題を解く時間を計ったりしておおよそのペースが掴めれば、割と安心して問題を解いていくことができると思います。
あ、それと設問メインはやめといたほうがいいですよ。確かに早く解けますし、一瞬で点数に繋がったりする瞬発力があります。ですがそういった小手先のテクニックは実力と結びつかない上に、意地の悪い問題が出されればすぐに躓いてしまったりするので極力使わない方がいいですよ。
そんなところか。
上記を体得した暁には、もう東大の問題だろうがなんのこたないですよ。私も幾つか解いてきましたが、ほぼ満点とれましたし。大体どこも似たような形なので、応用がききます。

あと、よく問題として頻繁に出てくる『対比』の解き方を学べばいいかな。
まとめたいところだけど、いい加減コメントには長すぎるんで自重します(笑)
駄文失礼しました。
無事志望校に行けるといいですね。がんばってください。
posted by くちは at 2009/05/20 17:48 [ コメントを修正する ]
なるほど
わー、なんという量だ! ありがとうございます。


>答えは単純に、作者が表したことを素直に拾っていけばいいのです。
>しかも現代文の場合はさらに単純で、『ヒント』というあやふやな形ではなく、率直に『答え』が問題文のなかに潜んでいます。
そうなんですよね。どんな問題集でも模試でも、解答には本文に即した文章を使っている場合がほとんどですもんね。もしくは、それをさらに抽象化(一般化)したものか。

>設問で「傍線部」などで現れるキーワード、登場人物の感情などは、多くの問題を解くにあたって極めて重要で、その前後で必ず「補足」や「(『つまり、』などでの)言い直し」が行われます。逆に言えば、補足や言い直しがされている部分が重要になってくるというわけですね。
ふむふむ。

>言い直しの更なる言い直しによって作者の言いたいことが二転三転する場合がある
なるほど。
そういうときは、傍線部で問われているのはどの時点での「言いたいこと」なのか、ということまで考えねばならぬのですね。
僕自身も記事を書いているうちに言いたいことが変わってきますが、まあこれは頭の中でいいたいことがまとまってないだけですね(笑)


>あ、それと設問メインはやめといたほうがいいですよ。確かに早く解けますし、一瞬で点数に繋がったりする瞬発力があります。ですがそういった小手先のテクニックは実力と結びつかない上に、意地の悪い問題が出されればすぐに躓いてしまったりするので極力使わない方がいいですよ。
設問から出題者の意図を読む云々というのは、やはり平野啓一郎氏だからこそできる芸当だったのでしょうね。もっと実力をつけなければ。


>上記を体得した暁には、もう東大の問題だろうがなんのこたないですよ。私も幾つか解いてきましたが、ほぼ満点とれましたし。大体どこも似たような形なので、応用がききます。
そうなんですか! 東大は理系でもしっかり国語入れてくるので、不安だったのですが、少し気が楽になりました。


>あと、よく問題として頻繁に出てくる『対比』の解き方を学べばいいかな。
>まとめたいところだけど、いい加減コメントには長すぎるんで自重します(笑)
>駄文失礼しました。
>無事志望校に行けるといいですね。がんばってください。
がんばります! 
じゃあまずは、明日の試験のために勉強を……って、そもそも記事書くより試験勉強するんでした。
試験中は、なにか勉強とは違うことがしたくなるとはいいますが、僕は現実逃避した先でも勉強のことを考えているという、奇特な体質なようです(笑)
2009/05/20 20:13

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